生きづらい人の稼ぎ方|体調に波があっても崩れない働き方

最終更新日:2026.08.31

生きづらい人ほど、お金の話になると「未経験からでも稼げる」という言葉に飛びつきやすくなります。

長時間働けない、対人ストレスに弱い、それでも生活費は要る。

焦って始めた副業やクラウドソーシングが、結局続かずに終わった経験がある人も多いはずです。

この記事では、体調に波がある人が実際に使える収入の選択肢を、良い面だけでなく現実の数字も含めて整理します。

きれいごとを並べても、実際に崩れてしまっては意味がありません。

生きづらい人の稼ぎ方

生きづらさとお金が、悪循環になる構造

生きづらい人ほど、お金の悩みが二重になりやすい傾向があります。

体調や対人ストレスで働き方に制約があるうえに、お金が足りない不安そのものが、さらに体調を悪化させるからです。

収入が不安定だと、無理をしてでも働かなければという焦りが強くなります。

焦って合わない仕事に飛び込み、体調を崩し、また働けなくなる。

この繰り返しに心当たりがある人は少なくないはずです。

この悪循環を断ち切るには、「稼ぐ量を増やす」ことより先に、「崩れにくい仕組みに変える」ことの方が効果的です。

「未経験でも稼げる」が崩れやすい理由

クラウドソーシングの案件情報サイトを見ていると、初心者歓迎・スキマ時間でできる、という言葉が並んでいます。

実際に始めてみると、状況はかなり違います。

1件の募集に50件以上の応募が殺到することも珍しくなく、価格競争で単価が下がり続けているのが実態です。

手数料もクラウドワークス・ランサーズともに16.5〜20%程度引かれます。

体力・気力に余裕がある人でも削られやすい環境です。

生きづらさを抱えている人が「未経験でも」という言葉だけを信じて飛び込むと、体力と時間を削られて終わることが多くなります。

だからこそ、最初に前提を変えることから始まります。

ひとつの仕事で生活費全部をまかなうという発想を、いったん手放すことです。

就労継続支援は「収入源」ではなく「組み合わせる制度」

体調に波がある人の選択肢としてよく挙がるのが、就労継続支援A型・B型です。

ただし、この制度だけで生活が成り立つと考えると、現実とのズレが大きくなります。

1. A型・B型の工賃相場を正直に知る

就労継続支援B型の全国平均工賃は月24,141円(2024年度)です。

週5日通っても月2〜3万円台にとどまることが多く、これだけで一人暮らしを維持するのは困難です。

雇用契約を結ぶA型でも、全国平均は月86,752円。

最低賃金がベースになるとはいえ、家賃を払いながら一人で生活するには足りないケースがほとんどです。

この数字を見て落ち込む必要はありません。

工賃が低いのは、あなたの能力の問題ではなく、制度の設計上の限界です。

むしろ知っておくことで、無理な期待をせずに済みます。

2. 生活保護と組み合わせるという発想

「生活保護を使うのは負けだ」という感覚を持っている人は少なくありません。

しかし、働けない・働いても生活費に届かない状態は、本人の努力不足ではなく、体調・環境・制度の構造が重なった結果であることがほとんどです。

就労継続支援や短時間の在宅ワークと、生活保護を組み合わせて生活の土台を作り、体調に合わせて少しずつ就労時間を伸ばしていく。

この順番の方が、いきなり一般就労を目指すより崩れにくくなります。

短時間勤務という制度を先に検討する

正社員はフルタイムで働くもの、という前提を外すと、選択肢が増えます。

障害者雇用枠では、週10〜30時間程度の短時間勤務を前提にした求人が存在します。

障害者手帳を持っていない人でも、まず「短時間で働ける求人」という軸で仕事を探すこと自体は誰にでもできます。

短時間勤務の求人は、フルタイム求人に比べると見つけにくいのが実情です。

それでも、体調に合わない環境で無理に働き続けて崩れるより、最初から週10〜20時間という枠で探した方が、長く続けやすくなります。

ハローワークの障害者専門窓口や、地域の就労支援機関に相談すると、一般には出回っていない求人にたどり着けることもあります。

自分に合った働き方を見つける

クラウドソーシングが向かない理由と、向く探し方

同じ在宅ワークでも、向き不向きがはっきり分かれます。

何が違いを生んでいるのかを、順番に整理します。

1. 開かれた案件市場が削られやすい仕組み

クラウドワークス・ランサーズのような開かれた案件市場は、応募者同士が価格と実績で削り合う構造になっています。

対人競争へのストレス耐性が低い人にとって、これは向いている環境とは言えません。

「稼げなかった」という結果以上に、応募のたびに落選や無視を経験すること自体が、じわじわと自信を削っていきます。

2. 競争に晒されない探し方

同じ在宅ワークでも、不特定多数と競わない探し方があります。

  • 過去に関わった相手(元同僚・知人)から直接依頼を受ける
  • 専門性の高い狭いジャンルに絞り、発注者側から声がかかる状態を作る
  • 公開の案件掲示板ではなく、紹介ベースの仕事を優先する

こうした「競争に晒されない経路」を優先すると、削られる量が少なく続けやすくなります。

焦って公開市場に飛び込む前に、まず身近な関係から仕事につながる可能性を探る方が、生きづらい人には合っています。

傷病手当金・障害年金は「調べるだけ」で価値がある

体調を崩して働けない期間、健康保険に加入していた期間があれば傷病手当金(標準報酬日額のおおよそ3分の2を最長1年6ヶ月受給できる制度)が使える場合があります。

障害年金も、働きながら条件を満たせば受給できるケースがあります。

「自分は対象外だろう」と、調べる前から諦めている人が少なくありません。

可否の判断は自分でするものではなく、窓口に確認して初めて分かるものです。

まずは年金事務所や協会けんぽの窓口に問い合わせることが、最初の一歩になります。

電話をかけるときは、「体調を崩して働けない期間があり、傷病手当金(または障害年金)の対象になるか確認したいです」と伝えるだけで十分です。

制度名を正確に言えなくても、「働けない期間のお金について相談したい」と伝われば、窓口側で必要な制度を案内してくれます。

収入をひとつに絞らない設計にする

体調に波がある人ほど、収入を1つの仕事に集中させるほど崩れやすくなります。

福祉的な支援・短時間の仕事・限定された関係性の中の仕事を組み合わせ、どれか一つが体調で止まっても生活全体が止まらない状態を作ることが、現実的な設計です。

働けない日があっても資産の一部が動き続ける、積立投資(つみたてNISAなど非課税で運用できる制度)も、収入源を分散させる手段のひとつになります。

大きく増やすためというより、体調だけに生活を依存させないための備えです。

実際の組み合わせ方は人によって違いますが、たとえば次のような設計が考えられます。

  • 就労継続支援B型(週3日)+生活保護で生活の土台を作る
  • 障害者雇用の短時間勤務(週15時間)+障害年金で収入を安定させる
  • 紹介ベースの在宅ワーク+つみたてNISAで、働けない時期の備えを作る

どれか一つが正解というわけではありません。

今の体調で無理なく続けられる組み合わせを、自分の状況に合わせて選ぶことが土台になります。

お金の不安が生まれる背景そのものについては、毒親育ちのお金の不安|抱えやすい理由と最初の一手で詳しく扱っています。

あわせて読むと、なぜ自分がお金に不安を抱きやすいのかが見えてきます。

よくある質問

1. 結局、何から始めればいいですか

新しい仕事を探す前に、まず傷病手当金・障害年金・生活保護など、今すでにある制度で使えるものがないかを確認することです。

収入を増やす努力より先に、今の制度を漏れなく使うことの方が、体力を使わずに状況を変えられます。

窓口に相談するだけなら、体調が悪い日でも電話一本でできます。

2. 障害者手帳がなくても就労継続支援は使えますか

自治体や医師の意見書によって、手帳がなくても利用できる場合があります。

地域によって運用が異なるため、自治体の障害福祉窓口に直接確認するのが確実です。

グレーゾーンだからと最初から諦めず、条件を確認するところから始められます。

3. 在宅ワークで本当に生活できますか

在宅ワーク単体で生活費全体をまかなうのは、多くの人にとって簡単ではありません。

福祉的な支援や短時間の仕事と組み合わせることで、初めて生活が安定します。

在宅ワークを「唯一の収入源」ではなく「収入源のひとつ」として位置づける方が、現実的です。

就労移行支援や制度の使い方については、就労移行支援、グレーゾーンは使えない?手帳なしの条件整理もあわせて読んでみてください。

4. 体調が安定しないので、就職活動自体が怖いです

就職活動そのものが体調の負担になる場合、いきなり企業に応募する前に、就労移行支援や地域の就労支援機関で「どんな働き方なら続けられそうか」を相談するところから始める方法があります。

応募書類の作成や面接の練習を、一人で抱え込まずに進められます。

怖さの正体は「準備が整っていないまま本番に出ること」であるケースが多く、準備段階を支援してくれる場所を挟むだけで、負担はかなり軽くなります。

まとめ

生きづらい人が稼ぐ方法を考えるとき、大切なのは「一発逆転の副業」を探すことではありません。

工賃の実態を知り、制度を漏れなく調べ、収入の入り口を複数に分けておくこと。

地味に見えますが、これが体調を崩さずに続けられる方法です。

今すぐ全部を実行する必要はありません。

まずは傷病手当金・障害年金・生活保護のうち、確認していないものを一つだけ調べる。

次に短時間勤務や紹介ベースの仕事を探してみる。

順番に進めていけば、無理な副業に飛びついて削られる前に、崩れにくい生活の形が見えてきます。

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参考:厚生労働省 就労継続支援について

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