最終更新日: 2025年5月25日 by ゆら葉(ゆらは)
朝、目が覚めた瞬間から、なんだか心が重たい。
「また昨日も、うまくできなかった」
「なんで私だけ、こんなにダメなんだろう」
気づけば、自分を責める言葉で頭の中がいっぱいになっていた──そんな日、ありませんか?
誰かに「大丈夫だよ」と言ってもらいたいのに、誰にも言えず、ずっと一人で抱え込んでしまう。
そんなときこそ、思い出してほしい考え方があります。
それが「セルフコンパッション」。
セルフコンパッションとは、自分を責める代わりに、やさしさと思いやりで自分自身を受けとめる心の習慣です。
この記事では、セルフコンパッションとは何か、なぜ今必要なのか、そして自分を受け入れるための具体的なステップを、やさしく丁寧にご紹介します。
セルフコンパッションとは?

自分を責めすぎるあなたへ──やさしさを、自分自身に向けてみませんか?
朝、ふとんの中で目が覚めたとき、真っ先に浮かぶのは昨日の失敗だった。
「あんな言い方しなきゃよかった」
「また迷惑かけたかもしれない」
そんなふうに、自分自身を責める声が頭の中にこだましてしまう──そんな日が、あなたにもありませんか?
セルフコンパッションとは、自分自身に対しても、友人に接するような思いやりとやさしさを向ける心の姿勢です。
たとえ失敗しても、弱さがあっても、「そんな自分でも大丈夫だよ」
そう認めてあげることが、セルフコンパッションの出発点です。
自分にやさしくすることで、心の負担が軽くなる
セルフコンパッションは、ただ自分を甘やかす考え方ではありません。
むしろ、現実の自分をありのままに受け入れながら、それでもなお前を向こうとする、深い自己受容のかたちです。
自己肯定感との違いは、完璧さや成功に価値を置かず、失敗や欠点を含めた「ありのままの自分」を受け入れる点にあります。
セルフコンパッションで期待されるやさしい変化
セルフコンパッションを実践することで、日常のなかで次のような変化が生まれることがあります。
- 失敗を必要以上に引きずらなくなる
- 自分を追い詰める思考から距離を置ける
- 不安やストレスの波に飲まれにくくなる
- 人との関係にも、自然なやさしさがにじみ出る
こうした変化は、長い時間をかけて少しずつ育まれるもの。
すぐにうまくいかなくても大丈夫です。
心のケアを習慣にするには、夜の過ごし方もとても大切です。
夜に気持ちが沈みやすいHSPさんに向けて、眠る前の心を整えるヒントをまとめたPDFもご用意しています。
たとえば、こんなシーンにセルフコンパッションを
- 人前でうまく話せず、ひとり反省会が止まらないとき
- 仕事でミスをして、誰にも言えず落ち込んだ夜
- 人の言葉に傷ついて、ずっとその言葉が頭から離れないとき
そんなときに、「わたし、今つらかったんだね」と、自分の気持ちをそのまま受けとめてあげることが、セルフコンパッションの第一歩です。
セルフコンパッションとは、自分にやさしさを向けるという新しい生き方
セルフコンパッションとは、つらいときこそ「自分の味方でいてあげる」こと。
どんな自分も否定せず、あたたかく受けとめる心の習慣です。
それは、HSPのように感受性が強くて、毎日いろんな刺激にさらされている人にとって、自分を守る大切なセルフケアにもなります。
ほんの少しだけでも、自分にやさしくする時間を増やしてみませんか?
セルフコンパッションの3つの要素

セルフコンパッションとは、自分自身に対して思いやりや理解を持ち、ありのままを受け入れることです。
自己肯定感とは異なり、欠点や失敗も含めて自分自身を認めることがセルフコンパッションのポイントです。
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セルフコンパッションを実践するには、以下の3つの要素を意識することが重要です。
1. 自分への優しさ│内なる声を慈しみの言葉に変換する
自分への優しさとは、自分自身を批判したり、責めたりせず、優しく接することです。
私たちは、日常生活の中で無意識のうちに自分自身を否定するような言葉を発してしまうことがあります。
しかし、セルフコンパッションでは、そのような内なる声を慈しみの言葉に変換することが大切です。
例
- 「私はダメだ」 → 「誰でも失敗することはある。今はうまくいかなかっただけ」
- 「もっと頑張らなきゃ」 → 「今の自分にできることを精一杯やろう」
- 「誰も私のことなんて理解してくれない」 → 「人はそれぞれ違う。完璧な人なんていない」
自分自身をいたわる言葉を意識的に使うことで、心の余裕が生まれ、自己肯定感を高めることができます。
2. 共通の人間性│誰もが同じ船に乗っていることを理解する
共通の人間性とは、誰もが失敗したり、苦しんだりすることを理解することです。
私たちは、完璧な人間ではなく、誰もが弱さや欠点を持っていることを忘れてはいけません。
セルフコンパッションでは、自分自身を他人と比較するのではなく、共通の人間性に基づいて理解と共感を示すことが大切です。
- 「あの人は私よりずっと優秀だ」 → 「人はそれぞれ違う強みと弱みを持っている」
- 「自分はこんなことで悩んでいるのはおかしいのではないか」 → 「誰でも悩みを抱えている。誰もが同じではない」
- 「失敗して恥ずかしい」 → 「失敗から学ぶことができる。誰もが失敗する」
共通の人間性を意識することで、孤独感や劣等感を克服し、自分自身を受け入れることができるようになります。
3. マインドフルネス│今この瞬間に意識を集中し、ありのままを受け入れる
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向け、自分の感情や思考をありのままに受け入れることです。
セルフコンパッションでは、過去の失敗や未来への不安にとらわれず、今この瞬間に存在する自分自身に焦点を当てることが大切です。
例
- 過去の失敗を何度も思い出し、自分を責めている
- 未来への不安で心が落ち着かない
- 目の前のことに集中できない
マインドフルネスを実践することで、頭の中の雑念を減らし、今この瞬間に存在する自分自身に意識を向けることができます。
ありのままの自分を受け入れることで、心の安定と自己肯定感を高めることができます。
セルフコンパッションは、自分自身を慈しむための心の羅針盤なのや。
自分への優しさ、共通の人間性、マインドフルネスという3つの要素を意識することで、より幸せで充実した人生を送ることができるのや。
セルフコンパッションと自己肯定感・自己受容との違い

似ているようで、実はちがう。だからこそ、意味を知ることが大切です
「セルフコンパッションって、自己肯定感と何がちがうの?」
「自己受容とどう違うの?」
そう感じたことがある方も、少なくないかもしれません。
どれも“自分を受け入れる”という点では共通していますが、アプローチの仕方や心の向け方に大きな違いがあります。
言葉の意味を整理すると、見えてくるものがあります。
セルフコンパッションは“やさしさの行動”をともなう自己受容
- 自己肯定感は「自分には価値がある」と信じる気持ち
- 自己受容は「ありのままの自分を否定せずに認めること」
- セルフコンパッションは「つらいときの自分に、やさしく寄り添う行動」
つまり、セルフコンパッションは、気持ちに“やさしい行動”をともなわせて、自分に接する姿勢といえます。
たとえば、「わたし、うまくいかなかったな…」と思ったときに、
- 自己肯定感だけなら「それでも価値のある自分だ」と思い直す
- 自己受容なら「できなかった自分も自分」と受けとめる
- セルフコンパッションなら「今日はつらかったね。よくがんばった」とあたたかく声をかける
このように、セルフコンパッションは“感情へのやさしいリアクション”が伴うのが特徴です。
がんばりすぎるあなたにこそ、必要な視点です
特に、HSPのように感情の波を受けやすく、人一倍がんばってしまう人は、
「自分はまだまだ」
「もっとちゃんとしないと」
と、無意識に自分を責めてしまう癖があるかもしれません。
そんなときこそ、セルフコンパッションの視点が心の支えになります。
“自分に厳しくしないとダメになる”と感じてきた方にとっては、新しい選択肢になるはずです。
セルフコンパッションは「自分に向ける、行動をともなうやさしさ」
自己肯定感や自己受容は、セルフケアの土台になります。
そこにセルフコンパッションを加えることで、より深く、自分をいたわる力が育ちます。
違いを知ることは、あなた自身との向き合い方を変える第一歩。
少しずつ、自分をやさしく包み込む言葉や行動を増やしていけたら、きっと心の風通しが変わっていきます。
セルフコンパッションを実践する方法

セルフコンパッションを実践するには、様々な方法があります。ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します。
1. マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想は、呼吸や体の感覚に意識を向け、思考や感情を客観的に観察することで、セルフコンパッションの基盤となるマインドフルネスを養うことができます。
瞑想と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、特別な知識や経験は必要ありません。静かな場所で目を閉じ、呼吸に意識を集中することから始めましょう。思考が浮かんでも、無理に追い払おうとせず、ただ観察することに重点を置きます。
マインドフルネス瞑想を続けることで、頭の中の雑念を減らし、 今この瞬間に存在する自分自身に意識を向けることができるようになります。ありのままの自分を受け入れることで、心の安定と自己肯定感を高めることができます。
マインドフルネス瞑想の具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
- 呼吸瞑想
呼吸に意識を集中し、思考が浮かんでも無理に追い払わず、ただ観察する - ボディスキャン瞑想
体の各部位に意識を向け、緊張や痛みなどの感覚をありのままに観察する - マインドフルネスウォーキング
歩きながら、足の裏の感覚や周囲の景色などに意識を向ける
自分に合った方法を見つけて、毎日少しずつでも継続することが大切です。
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2. セルフコンパッション・ライティング
セルフコンパッション・ライティングは、自分自身への思いやりの言葉を書き出すことで、セルフコンパッションを深める効果があります。
書き方としては、以下のようなものがあります。
- 感謝の気持ち
自分自身や周りの人、物に対して感謝していることを書き出す - 励ましの言葉
落ち込んだ時に自分を励ますような言葉を書き出す - 自分への許し
過去の失敗や過ちを許し、自分自身を受け入れる言葉を書き出す
自由に書き出すことで、心の奥底にある感情に気づくことができます。ネガティブな感情が出てきた場合は、無理に否定せず、ただ書き出すことが大切です。
セルフコンパッション・ライティングを続けることで、自分自身への思いやりが深まり、自己肯定感を高めることができます。
感情が乱れてしまったときの具体的な対処法をまとめたチェックリストもご用意しています。
感情が乱れたときの整え方チェックリスト【PDF】 もぜひご活用ください。
3. セルフコンパッション・エクササイズ
セルフコンパッション・エクササイズは、自分自身を肯定したり、励ましたりする言葉を唱えることで、セルフコンパッションを習慣化する方法です。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
- 鏡の前で自分自身に語りかける
- 肯定的な言葉を書いたカードを持ち歩く
- スマートフォンアプリを活用する
自分にとってポジティブな言葉を見つけて、毎日繰り返し唱えることで、心の状態を前向きに保つことができます。
自分にとってポジティブな言葉を見つけるヒント
自分にとってポジティブな言葉を見つけるには、以下のヒントが役立ちます。
- 自分の価値観や強みを書き出す
- 自分自身を褒める
- 感謝の気持ちを持つ
- ロールモデルを見つける
- 肯定的な言葉のリストを活用する
具体的な例
自分の価値観や強みを書き出す
- 私は思いやりがある人です。
- 私は創造性豊かな人です。
- 私は粘り強い人です。
自分自身を褒める
- 今日はよく頑張った。
- 私は自分のことを誇りに思う。
- 私は愛されるに値する。
感謝の気持ちを持つ
- 健康な体に感謝します。
- 家族や友人に感謝します。
- 私の周りの美しいものに感謝します。
ロールモデルを見つける
尊敬する人や、自分になりたいと思う人の言葉を参考にしましょう。
肯定的な言葉のリストを活用する
インターネットで「肯定的な言葉」と検索すると、様々なリストを見つけることができます。
セルフコンパッション・エクササイズは、いつでもどこでもできる簡単な方法なので、ぜひ習慣に取り入れてみてください。
セルフコンパッションを実践するには、マインドフルネス瞑想、セルフコンパッション・ライティング、セルフコンパッション・エクササイズなど、様々な方法があるのや。
自分に合った方法を見つけて、継続することで、より幸せで充実した人生を送ることができるのや。
セルフコンパッションは誰でも簡単に始められる習慣
セルフコンパッションは、自分自身に対して思いやりや理解を持ち、ありのままを受け入れることです。
自己肯定感とは異なり、欠点や失敗も含めて自分自身を認めることがセルフコンパッションのポイントです。
セルフコンパッションは、難しいものではありません。特別な知識やスキルは必要なく、誰でも今日から実践することができます。
セルフコンパッションの注意点と誤解されやすい点

“自分に甘くすること”ではありません。やさしさの意味を、もう一度見つめ直してみましょう
セルフコンパッションと聞くと、
「ただの甘えじゃないの?」
「そんなふうにしていたら、成長できなくなるのでは?」
そんな疑問や違和感を持たれることがあります。
しかし、それはセルフコンパッションの本質を誤解したイメージかもしれません。
セルフコンパッションは、前に進むための「強いやさしさ」
セルフコンパッションは、「つらいときに自分を許す」「できなかった自分も受け入れる」という姿勢です。
けれどそれは、何でも許して怠けるという意味ではありません。
自分を傷つける責め方をやめて、建設的な選択をするためのやさしさです。
痛みに目を背けるのではなく、しっかり見つめながら「どうすれば整えられるか」を考える土台になります。
誤解①:「自分を甘やかす考え方だと思われがち」
たしかに、“自分を責めない”と聞くと、「反省しなくなるのでは?」と思うかもしれません。
でも、セルフコンパッションでは「自分の失敗を認めたうえで、やさしい声をかけてあげる」というプロセスを大切にします。
たとえば、友人が仕事で失敗して落ち込んでいたら、「そんなの気にしなくていいよ」ではなく、「つらかったね。でもがんばってたの、知ってるよ」と寄り添うはず。
その感覚を、自分にも向けてあげることがセルフコンパッションなのです。
誤解②:「自分に厳しくできない人の言い訳」
「成長したいなら、もっと自分に厳しくしないと」
そう思って、ついムチを打つような言葉で自分を動かそうとしていませんか?
でも、厳しさだけで走り続けると、心が摩耗してしまうことがあります。
セルフコンパッションは、自分に厳しくすることと両立できる、もうひとつの力の使い方です。
強くあるためには、やさしさが必要です。
その両方をもって、前に進んでいくことができるのです。
セルフコンパッションは、甘えではなく「本当の強さを育てる習慣」
セルフコンパッションは、弱さを肯定して終わるものではありません。
むしろ、傷ついた自分を労わり、もう一度立ち上がるための小さな勇気をくれる考え方です。
誤解されやすいからこそ、その意味をしっかり理解して、あなたらしいペースで実践してみてください。
自分にやさしくなれた分だけ、世界の見え方が少しずつ変わっていくはずです。
まとめ
自分を責めるかわりに、自分を抱きしめるという選択肢を──
セルフコンパッションとは、つらいときにこそ自分にやさしく寄り添う、あたたかな自己ケアの習慣です。
完璧じゃない日も、失敗してしまったときも、「それでも、わたしは大切な存在だよ」と伝えてあげること。
そのやさしさは、ストレスや不安を軽くし、自己肯定感や立ち直る力(レジリエンス)を静かに、でも確かに育ててくれます。
セルフコンパッションは、特別な道具も、難しい知識もいりません。
誰でも、今日から始められる小さな一歩です。
- 深呼吸しながら「大丈夫」と自分に声をかけてみる
- つらかった今日を、ねぎらう言葉で振り返ってみる
そんなふうに、自分との関係に少しずつ「やさしさ」を増やしていくことから、すべてが始まります。
もっと深く学びたい方へ
セルフコンパッションに関する理解を深めたい方は、以下の書籍やウェブサイトもおすすめです。
書籍:『自分を許すということ』(コリン・ティッピング (著))
自分自身を大切にすることで、より豊かな人生を歩みましょう。
投稿者プロフィール

-
にぎやかな場所や強い刺激が苦手で、静かな空間で深呼吸するのが好き。
自分の感覚に素直に生きたいと願う中で、「心地よい暮らしって、なんだろう」と問い続けてきました。
HSP傾向があると知ったのは、何気なく受けた診断テストがきっかけでした。
スコアは75(中程度)。「傷つきやすいって、悪いことじゃないんだ」と思えた瞬間のことを、今でもよく覚えています。
かつて、障がい者支援施設で生活支援員として働いていたとき、
日々のちょっとした言葉が、人の心をふわりとほどいていく場面に何度も出会いました。
その経験から、「言葉で誰かを支えることができたら」という思いが強くなり、メンタル心理カウンセラーの資格も取得しました。
feeveraでは、
・ヘアケアやアロマなど五感にやさしいセルフケア
・心がふっと軽くなる生き方のヒント
・HSPさんの繊細さを否定しないライフスタイル提案
──そんな「静かでやさしい暮らし」をテーマに、日々コンテンツを発信しています。
ときどき記事に登場する「ふぃーちゃん」は、feeveraの小さな案内役。
ちょっぴり天然だけど、読む人の心をほっと包んでくれる存在です。
そして私は、ちいかわと静かな時間が、なによりの癒しです。
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※本記事は医療行為・治療を目的としたものではありません。